2017年度 合格体験記

KAさん:「失敗から学ぶ」

進学先慶応義塾大学 法学部

僕は東大に落ちた。不合格者の東大対策などあてにならない(したくない)だろうし、かといって「不合格体験記」を書くのも本冊子の趣旨にそぐわないから、以下、受験をふり返った結果、僕自身への自戒(←ここ重要!)も含め、生徒さんに理解してほしいことをいくつか書く。

まず、早いうちから教科書の重要性に気づくということだ。何の教科でもいい、教科書の最後のページを見てほしい。権威ある大学の、権威ある教授の名があるはずだ。そんな方々がその教科の本質的な部分を簡潔にまとめたであろうものが教科書なのだ。これを完璧に仕上げることが第一の仕事だ。そうすれば、河川でいうところの本流ができあがる。この「本流」は各教科の本旨であるため、どこの大学の試験にも応用でき、教養としても役立つ、普遍的なものなのだ。僕が思うに「国立大用の対策」、「私立大用の対策」というものはない。国立大受験者は各教科の本質を理解し(かつ、私大の選択肢問題に慣れておけば)過去問を数年分解くだけで十分おさえの私大に合格できるだろう。私大受験者は私大の英語・社会科目に顕著な、瑣末(さまつ)な知識を吸収する前に、教科書記載事項を完璧に理解することに努めよう。その際、国立大(特に東大)の記述問題を利用したアウトプットが役に立つ。すなわち、二者ともやることはほとんど同じなのである。新たな問題集に手をつける前に、予備校に行く前に、まず教科書を手に取ろう。(自戒含む)特に社会科目の教科書は読みごたえがあって面白いですよ。少しでも勉強が楽しく思えれば「勝ち」です。

次に、よく言われることだが、受験期は本当に短いということだ。恐らく、受験を終えた人にしか分からない。しばしば「現役生は最後まで伸びる」と言われる。確かに僕自身もそうだった。しかし、これは「直前まで伸びしろ(=手をつけていない部分)が残っている」ことと同義であると思う。だから、できるだけ早くから本気で学習することが大切だ。受験が終われば死ぬほど暇になっていくらでも遊べるので、それまで勉強以外のことは我慢しましょう。どれだけ早くから本気になれるかがカギです(自戒含む)。

僕自身の意見ではあるけれど、以上のことを皆さんなりに解釈して何らかの役に立ててもらえれば幸いです。第一志望合格は人生最大の喜びの一つになり得るでしょう。目標を高く持って頑張ってください。合格を祈ります。





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