K I R I
 — 2018年 2月号

「学びのあり方」再考

受験生の皆さん。いよいよ大学入試も本番に入りました。日ごろの実力を存分に発揮し、第一志望合格をぜひ勝ち取ってください。

今回は、新年度を間近にひかえ、これからの学びのあり方を少し考えてみました。

この欄でもしばしば取り上げてきた昨今の教育改革は①大学再編、②入試改革(とくに共通テストの問題)、③初等中等教育の改革(学 習指導要領の改訂)の3本柱から出来上がっています。

①の大学再編は、文系学部を縮小し理系学部を増やすことでグローバル世界で生き延びていける国際競争力を身に付けていける大学や学生を後押ししようとする国家戦略でもあります。しかし、地方の国立大学では科研費が年間50万にも満たない教室もあり、とてもまともな研究ができないという悲鳴が上がっています。②の入試改革は「思考力・判断力・表現力」を問う問題を増やし、先行き不透明な世界のなかで主体的に問題解決に向かう人材の養成を狙ったものです。しかし、「高めの球を投げ、実現性は中教審で検討してもらうつもりだった」と関係者は語っているとか。理念先行の入試改革はいろいろボロが出てきています。③は、①②の改革と同時に学齢に応じて教育目標を立てたものです。数年前から中学入試では、こうした教育方針に沿って思考力入試や英語入試など特色入試を実施する学校が急に増えてきました。しかし、教育現場ではただでさえ忙しく過労死まで問題視されているのに、知識量はそのままに、新しい学習指導要領に先生方は果たして応えらえるのでしょうか。何事も、改革には光と陰が付きまとうものです。ここは、じっくり生徒の目線に立ち、現実に沿って教育という手作業を実践していきたいものです。

最近よく引き合いに出される「思考力・判断力・表現力」という言い方ですが、試験理論から言うと判断力はどうやって測るのか難しいといいます。選択問題で、えいやーというわけでもなさそうです。あまり難しいことは分かりませんが、教える現場では「意欲」にもっと焦点を合わせるべきではないかと、日ごろ思っています。60年以上前に『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)という本に出会い、感動した思い出があります。最近、漫画本にもなったりして超ベストセラーになっていますが、私はここから「学び」のあり方を学んだように思います。いや、意欲を与えられたといったほうが正確です。

相当前に読んだ本ですから記憶もおぼろげですが、確か「科学的に考える」という一節があったように思います。小さいころから、論理的に考える訓練だけはぜひ培っておくべきです。それも、一番身近な日本語を使って。小学生のころから、つなぎ言葉の使い方や接続助詞や代名詞の使い方・比喩・展開など、もう少し論理だてて教え、思考のOS(ウィンドウズのOSなどを連想していただければ)を磨き上げていくことです。こうした力は、国語力だけでなく算数や数学、英語の習得にも役立つと思います。思考力と表現力は一体のものです。

英語は小学校で科目の扱いを受けるようになりますが、英語だけに目を奪われるのではなく、言語の基礎、思考の基礎となる論理の訓練を忘れるべきではありません。