単語暗記を忌避する子が激増中です。単語暗記は語学の基本。単語を暗記せずして一体何をしようというのか。全く理解に苦しみます。「暗記教育の弊害」などと煽る人がいるから悪いのです。彼らの罪はまことに深い。やがては「方法論」まで忘れてしまう。おかしな暗記法で四苦八苦する子供たちが後をたちません。
「学校で小テストが毎日あるから受験単語を暗記できない!」という子がいます。「一日10分も工面できないのか?」と言うと「他の暗記をすると小テストで覚えた内容を忘れてしまう!」というのです。「眠ると覚えた内容を忘れる。だから寝ないで試験に行く。」という友人が中1の頃おりました(無論実際は逆!)。中1であれば「ご愛嬌」ですが、受験生がこんな「脳科学のイロハ」も知らないようでは困ります。コンピューターと人間の脳は全く別物。「詰め込めば詰め込むほど、さらに詰め込み易くなる」のです。脳は「既にある知識」と関連付けて「新しい知識」を吸収しようとするからです。所謂「論理脳」です。一方幼少期の脳は「白紙」ゆえこれでは困る。そこで見た物・聞いた事をすべて暗記できるようになっている。これが「暗記脳」です。暗記脳から論理脳への転換は中2前後で起こり、これが「反抗期」を引き起こすことも既に述べた通りです。受験生で暗記脳の人はいないはず。「脳がパンク」する心配はありません。心置きなく「詰め込んで」下さい。
では何故「忘れる」のでしょう。記憶には「長期記憶」と「短期記憶」がある。友人や家族の名前は前者。電話番号をダイヤルするとき使うのが後者です。受験で使うのは無論「前者」(その注意も既に書きました)。しかし彼らはそれを「後者」を使って乗り切ろうとしているのです。短期記憶は手軽です。使えば確かに「一時しのぎ」にはなる。しかし「それでおしまい」です。後には何も残らない。覚えては忘れ、また覚えては忘れる。永遠に救われることはない。常に「時間がない!」と感じるのはそのためです。試験範囲が前と同じだったとしても、一から暗記し直さなくてはなりません。これで時間が足りたらそちらの方が不思議です。逃げるのはもうやめにして、「ターゲット1900」と「イディオム1000」を一気に暗記してしまうことです。そうすれば学習効率は格段にアップ。他教科に振分ける時間も捻出できる。文系科目は「急がば回れ」。おかしな暗記法は今すぐ止めてください!
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