(TOEICに欠ける点とは?)...「聞く」「話す」「読む」「書く」の4分野の能力はさらにそれぞれ3段階、ごく日常会話レベルの「略式」、最初に習得すべき標準的な「正式」、ビジネスや学問で求められる高度な「専門」レベルと、計12のゾーンに区分できます。TOEICで測れる能力はその中の「聞く」「読む」の「正式」ゾーンの2つだけ。しかも文章をキッチリ分析して読む力ではなく、瞬発力が勝負。複雑な思考は要求されず、日本語への翻訳能力は必要ないから、英語のままフワフワッと何となくわかればいい。「話す」「書く」の英語による発信力が測れないのも致命的です。

(2020年度からは大学入試に英検やTOEICなど民間の試験が利用できるようになります)...まったくばかげてます。大学生に求められる英語能力は原書講読能力に尽きる。大学院生や研究者ならこれに加えて論文記述力です。文部科学省官僚の根深い西洋コンプレックスが1980年代以降の英語教育"改悪"につながった。読み書きなんかいいから、子どもたちがカタコト英語くらいしゃべれるようにしようと、"使える英語"と称した上っ面のコミュニケーション重視へカリキュラムの舵を切った。平易な口語表現を丸暗記せよ、難しい文法用語は使うなと。初級文法さえ習得せずに英語力が伸びるはずがない。私は翻訳を教えていますが、TOEICでスコア950を取っているのに文法をよく理解してない生徒などザラ。文法は、きちんと通じる正しい英語を組み立てるのに必要不可欠な知識。ちょっと乱暴な言い方をすれば、学校でやる英語に「話す」「聞く」はなくていいと僕は思っている(詳細:東洋経済)。


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