「英語を教えることになったある生徒との面談で、『授業がわからなかったら、遠慮せずそう言っていい』と語りかけると、生徒はぼろぼろと涙を流し始めた。英語が「全然わからない」と言うのだ。「学び始めてから今まで、なんとなくしか中身が理解できていなかった」と。私には、「中身」が生徒にわからない最大の理由は、英文法を正しく理解できていないからだ、と思えた。英語は中学校の段階で一度理解できなくなると、高校の内容についていくのは難しい。英文法がわからず、指導もきちんとされず、その結果英語についていけない。そんな生徒は極端な例ではない...このところ、地道な文法指導を無視した「しゃべりっぱなし」ともいえる授業が、教育現場で展開されている事例も見聞きする。私の30年以上の教職経験で言えば、英文法力、読解力などは年を追うごとに低下していると感じる。確かに、滑らかに英語を話す生徒を公教育で養成することは大切かもしれない。しかし冒頭の生徒のように、文法指導を軽視した結果、英語自体がお手上げだと感じる子どもたちがこれからさらに増えては、元も子もないだろう」(詳細:朝日新聞)。
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