茗渓予備校通信KIRI
2008年1月号
英語脳ってなに?
最近、よくこのことばを耳にします。
実は、このことばは茗渓の英語学習の基本として10年以上前から提唱してきたものです。英語理解の回路を脳にたたき込むことです。
プログレスを茗渓の基本教材としてきた最大の理由は、英語をまず音声重視の立場から実践する姿勢で作成された教材だからです。新版ではその姿勢がさらに鮮明になっています。
プログレスに付随するリピーターの説明書にもあるように、英語学習者の脳に日本語をつかさどる部位とは別に、英語を操る部位を新たに脳に形成することが必要です。最近の脳の研究によれば、関係代名詞を学習するとその部位が脳に形成されるそうです。このことは、経験的にも実感されます。
関係代名詞を後ろからひっくり返して理解する習慣がつくと、スムーズな聞き取りが難しくなります。不定詞にしても、基本的には音声が発話される順番に前から意味を加算していく方が英語の自然な流れに沿って理解することができます。スラッシュ・リーディングはスラッシュ・リスニングでもあります。意味の固まりをおよそ「7語程度」の単位(一息に発音できる限界)でまとめながら意味を加算するように理解していくのが英語学習の常識になりつつあります。
バイリンガルといわれる人たちに聞いてみると、英語を使うときは英語の思考回路で、日本語を使うときは日本語の脳の回転で言語操作していると言います。先日も、日本語がほとんどできないカナダ人から携帯がかかり、半ばパニック状態で私に助けを求めてきました。相手は相当興奮しているので、わたしも相手の早口に合わせて英語をフル稼働させられる羽目になりました。日本語の世界は完全に消え失せています。
英単語にしても、2000語から3000語の辞書などの説明に使われる定義語をマスターしたら、早めに英英辞典を使うのが英語の達人への早道です。でも、今の学校現場では無理でしょうか。私たち日本の教師も多くがバイリンガルレベルに早く到達したいものです。