茗渓予備校通信KIRI

2009年1月号

ゼミの窓から:英語は英語で教えるべき

文部科学省が、2013年から高校では英語を英語で教えることを提案しました。指導要領の主な改善事項として、「授業を実際のコミュニケーションの場面とするために、授業は英語で行うことを基本とすることを明記」しました。大賛成です。もう一歩進めて、第2言語習得の技量を持つ英語圏の外国人教師を専任として相当数雇用するところまで決断すれば申し分ないのですが、教育行政の在り方やいまの財政状態ではそれもままならないのでしょう。とりあえずは、英語教師の自助努力をまつということでしょうか。
また、英語の指導語数を従来の中高で2200語から、3000語に増やすそうです。オランダの高校生の平均が8000語と言いますから、それと比較すればお粗末な数字かもしれませんが、指導要領は最低基準という方針が2003年度から明確に打ち出されたことを考えるならば相当な負担が教師生徒にかかることは否めません。「ゆとり教育」の十分な総括もないまま、教育行政の振り子は英語の場合も大きく「詰め込み」へ向けて揺り戻しそうな気配です。

今年も新中1生向けの「英語講座」を3月から開講します

実は、わたしどもが主教材としている「プログレス21」は、中学生が学習するブック3まででおよそ3000語を扱っています。この教材を採用している多くの中高一貫校が進学校であることを考えても、相当な語数です。最近採用した学校では、中3まででブック2を終えるところも少なくありません。でも、理想は中3まででブック3を完了させ、高2まででブック5を終了することです。保護者のあいだでは、難しい教材でも有名な「プログレス」ですが、語学習得のアプローチ(方法)を間違えなければ使いこなせる教材です。

「プログレス」は、音声教材であることを押さえておくことが絶対に必要です。「聞くこと」(インプット)と「話すこと」(アウトプット)から始まります。この基礎作業を徹底して実践することで、日本語脳とは別のところに英語脳を作り上げることが出来るのです。本格的な英語講座でその効果をぜひ多くの新中学1年生に体験していただければと思っています。