茗渓予備校通信KIRI

2010年11月号

開かれた個別

もう早いもので、歩道を歩いていると枯れ葉がはらはらとまい落ちる季節になりました。師走の足音がひたひたと迫ってきます。

この欄で何度もとりあげてきましたが、学校であれ塾であれ、教育はそもそも個別の営みであったし、あるべきです。日本の教育は、いままで長いあいだ教室という「はこ」のなかで大勢を一斉指導することが一番効率がよかったのです。しかし、こころある教師は、そんな中でも一人一人の生徒と個別の関係のなかから感動的な教育を実践してきたものです。最近は少子化に伴い、30人学級(小学低学年)35人学級が取りざたされていますが、これも予算の都合で暗雲が漂っています。

わが茗渓予備校は、「個別教科コーチング」という教育手法で生徒たちの指導にあたっています。教育は本質的に個別の営みであるという認識であり、最近個別が注目されてきたという近視眼的な対応ではありません。世の多くの個別は、ほとんどが学生アルバイトの一対一の個別です。せいぜいプロ教師とうたったアルバイターです。

茗渓予備校の教師(コーチングスタッフ)は、すべて専任の社員です。ここを職場として責任をもって生徒指導に当たっている専門家です。コーチングという仕事は、生徒を変えていくものである、と同時に、講師自身も生徒との関係を変えていく(深めていく)ものです。生徒を変えていくというのは、分かりやすく言えば学力を高めていくことであり自立した学習習慣を付けていくことです。講師が変わっていくということは、生徒や保護者の方々とのコミュニケーションを通して、信頼関係を作り上げていくということです。いま大学では、論理的に考える教育はほとんど行われていないと、当の大学教師が嘆いています。私たちは受験知識の確認型の教育ではなく、問題解決型の「まなび」も目指しています。「開かれた」「活力ある」個別を目指しています。