茗渓予備校通信KIRI

2010年4月号

ゼミの窓

今年の入試は、医学部医学科が13名、難関大学(国立・早慶上理)が43名という結果になりました。医学部への進学は過去最高を記録しました。また、早慶に強い塾という評価(『ダ・カーポ』による)は今年も健在でした。

中高一貫校生専門の予備校を立ち上げてこれで8年目に入ります。最近では、公立でも中高一貫の教育が全国的に一般化し、都立では大学受験を主眼にする重点校が脚光を浴びています。

私たちは、単に流行に先駆けているだけではなく、「生涯でいちばん影響を受けたのは塾であった」(在野の高名な思想家である吉本隆明さんの言葉)という事実に立って、塾生たちの教科コーチングに努めているのです。おそらく教育というのは本質的に、どこかの塾のような1対1の指導でもなく、もちろん大手のパターン化した指導でもない、地味な個別のコーチングなのでしょう。とくに科挙の時代から受験ともなれば、人生の先達、人生の師が腕によりをかけて指導するものなのでしょう。

わたしは2009年度は4名編成の英語受験ゼミを担当しました。英語を教えながら受験全体をコーチングするのが茗渓流です。小論文の指導も手伝いました。高2の早い段階で、志望大学の問題を解かせてみます。多くは3割4割がやっとという状態ですが、その時点で何が欠けているのかを自覚させ、どうやって①語彙力を高めていくか、②文法はどの程度の問題を学習したらいいか、③文法力を英文読解にどう生かしていくか、読解の手順は、④作文がある場合はどう段階をへて習得していくか、⑤リスニングの訓練は何を使ってどう演習するか(英検、トーイック、トーフル、過去問研究)など、一人ひとりと相談しながら英語の総合力受験力を高めていきました。慶應文学部を第一志望とする生徒は直前まで過去問研究を重ねついに1997年の問題まで行き着いてしまいました。合格するまでとことんつき合うというのが茗渓流です。

結果(進学先)は、慶應大学文学部、上智大学外国語学部英語学科、東京理科大学理学部、青山大学文学部英米文学科でした。(ごく一般的な受験ゼミです。)