茗渓予備校通信KIRI

2010年5月号

ゼミの窓

高校の「無償化」と「準義務教育化」が現実のものとなろうとしています。高校無償化の背景には、高校への進学率が97.9%(平成21年度)に達し、高校教育が実質的に義務教育化している実態があるからでしょう。

無償化になるということは、教育費を社会全体で負担するということです。学齢期の子供がいない家庭でも負担を強いられるということです。この機会に高校教育について広く国民的に議論する必要があります。

日本の教育現場では「市民教育」という視点が欠けているのではと日ごろから懸念しています。どのような国家を作っていくのか、次世代を担う人材をどのように育成していくのか、この機会に大いに議論したいものです。その際、学校現場でも職業教育を取り入れていく発想が必要ではないでしょうか。受験の先を見据えた指導もまた必要です。