茗渓予備校通信KIRI
2010年8月号
ゼミの窓
今年の夏期講習で、高3生用に「早慶ゼミ」と「国立難関ゼミ」を担当しました。どちらも吉祥寺校舎での特別ゼミです。
「早慶ゼミ」では、毎回学部対抗という形式をとり、①早稲田理工学部vs 慶応理工学部、②政経学部 vs 経済学部、③商学部対決、④法学部対決、という4回シリーズで指導を展開してみました。それぞれの学部を過去10年ぐらい俯瞰して、傾向を改めて調べ直してみました。早稲田の理工のように学部の改編に伴い出題形式が多少変化したり、慶応の経済のように特徴のある条件作文を出したりするところもあります。いずれにしろ、夏期明けからは本格的に過去問研究をする必要があります。
余談ですが、このゼミのためもあり、橘木俊詔(元京大教授)の『早稲田と慶応』(講談社現代新書)を読んでみました。日本の格差社会を経済学者として早い時期から指摘してきた学者として、いろいろな資料を下敷きに示唆に富む知見が随所にちりばめられています。早慶を受験する生徒にはぜひ読んでもらいたい一冊です。
「国立難関ゼミ」では、東大、一橋大、東工大などの問題を扱ってみました。いつも思うのですが、どの国立大学の英語の問題も、半分近くは日本語の理解度や表現力を試す問題とも言えます。とくに下線部訳などは賛否両論あるでしょうが、母語である日本語でしっかり表現できるだけの力が必要です。また、英語力以前の問題として、現在話題となっている社会問題や思想問題もある程度かじっておく必要があります。そして、語彙力は昔から永遠の課題です。