茗渓予備校通信KIRI

2013年7月号

小論文や面接で試験官は何を判断しているのか

先日、面接や小論文を担当している先生の話をうかがっていて、いくつかなるほどと思えることがありました。少し書いておきます。

①自分で考えたことなのかどうか
一番重要なことは、与えられたテーマや質問に対して、どこまで自分で考え抜いたか、経験豊かな試験官・採点者にはすぐ見透かされてしまいます。論文を書く場合、そのテーマを扱った過去の重要な文献をあさったり(二次資料)、自分の足を使って取材したりします(一次資料)。たとえば、受験する大学の志望理由を書く場合、大学側の資料や研究分野に関する書物をひもといてみることはもちろんですが、と同時に、先輩や先生に聞いたり、実際にオープンキャンパスに出向いて取材してみることも大事です。自分の足を使って、自分の目で考えることが重要です。

②自分の経験に根ざしているのか
自分の問題意識(個別の体験、身近な経験)と社会で課題となっている問題(大きな体験)をクロスさせることも考えてみよう。他人や本からの借り物では、うそ臭い感じを相手に抱かせてしまいます。

③自分をどこまで追いつめたのか
生徒たちと進路の話をしていて、「よく分かりません」というひとがいます。いろいろ調べたり考えてのうえであればまだ救いもありますが、「大学へ入ってから考えます」では話になりません。医学部などで複数の先生から質問を受ける場合など、どんどん追いつめてきます。日ごろから、自分に厳しく自問自答している受験者ならば、解答は出ないものの、本物かどうかの見極めはつくものです。悩む力も大切です。