茗渓予備校通信KIRI
2014年4月号
緊急報告★大学入試と英語—TEAPその後
上智大学が来年度(2015年度入試)から外部入試 TEAP(Test of English for Academic Purposes)をほぼ全面的に導入することになりました。このテストは、英検と上智大学との共同開発で生まれた大学入試用の英語試験ですので、完全な外部試験かどうか疑問のあるところですが、今後どの程度全国の大学で導入するのかが注目されるところです。
春期講習がはじまるまえに行われたTEAPのセミナーに出かけてきました。この時点で導入を決定しているのは以下の通りです。
導入決定大学:
- 上智大学(2015年度より) 国際教養学部を除く全学部全学科の一般入試
- 立教大学(2015年度より) 異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科、経営学部経営学科国際経営学科の特別入試(自由選抜入試での資格に追加)
検討中:
- 中央大学(2015年度より) 複数学部で特別入試の出願資格として
- 筑波大学(4技能のテストとして利用検討)
- その他、複数の大学
なお、TEAP連絡協議会には、私立46校国立10校、合計56大学が参加しています。主な東京の私大は、青山学院大学、明治学院大学、成蹊大学、杏林大学などです。 今回のセミナーには、全国の高校や大学から400人ほどの関係者が集まったということですから、かなりの関心が集まっていると言えるでしょう。また、基調報告のトップに文科省の外国語教育推進室の田淵エルガ室長が登壇し、政府の「グローバル化に向けた英語教育改革実施計画」と大学入試に関する姿勢を詳細に語っていました。強力な国の後押しを感じます。
基調報告②で、TEAP作成の中心的存在である吉田研作氏(上智大学言語教育研究センター長)から1時間以上に渡り、今後の日本の英語教育に関する説得力ある説明がありました。詳細については、この誌面では紹介できませんが、要点だけをご報告しておきます。
- 日本人の外国語に対する自信のなさ 内向き志向の若者たち。
- ネイティブや帰国子女が目標ではなく、英語で何をするかが課題。
- CERF(外国語能力の到達度指標、6段階)でA2〜B2の範囲のテスト。大学での英語教育は日常会話でもなくネイティブの英語力でもない。自分の興味関心、専門領域に関して英語で発表や議論ができる人材の養成が必要。