茗渓予備校通信KIRI
2016年 6月号
数字で見る入試のトレンド
先月の下旬に行われた今年の『春の入試説明会』では、調布会場と吉祥寺会場を合わせて80名を超える参加者をいただき感謝しております。今後は、2部制をとるなどしてよりきめ細かい入試情報の広報を心がけていきたいと思っています。
① 地方高校生の東京離れ
先月5月1日の朝日新聞で、東京の有名大学で合格者の「首都圏集中」が進み、東京離れが加速しているという記事が大々的に報道されました。実は、私は昨年の当紙『KIRI』9月号で東京の主要大学の合格者に占める首都圏にある高校の占有率を紹介したおり、すでにこうしたトレンドをご紹介しておきました。今回の報道の数字に昨年の数字を重ね合わせてみます。
| 大学名 | 2016年度 | 2015年度 | 2005年度 | 1986年度 |
| 東大 | 55.2% | 55.3% | 48.4% | 47.3% |
| 一橋 | 69.4% | 69.7% | 54.1% | 44.7% |
| 慶応 | 72.6% | 71.7% | 57.7% | 56.0% |
| 早稲田 | 73.9% | 73.1% | 62.4% | 51.8% |
この数字から何が読み取れるか、専門家によってもさまざま意見が分かれることでしょうが、国立2校ではほんの僅か数字が下がっています。それに比して、慶応早稲田はまだ上昇しています。仕送りの負担増や親子の意識の変化が影響しているのでしょう。
今年から推薦入試を行った東大は「合格者の出身地が分散した」と副学長は喜んでいます。早稲田は18年度から「地域貢献型人材発掘入試」(仮称)というAO入試を始めます。慶応大学は12年度から首都圏以外出身の学生向けに「学問のすゝめ奨学金」を設け、年60万~90万円を支給しています。学生の多様性が大学の活性化=人気につながると考えているのでしょう。
② 占有率でみる私大合格力(東京編)
| 設置者 | 校数 | 早慶上理 | GMARCH | 日東駒専 |
| 国立 | 9 | 83% | 48% | 13% |
| 公立 | 157 | 11% | 27% | 25% |
| 公立(指定等) | 36 | 41% | 81% | 46% |
| 私立 | 226 | 21% | 31% | 19% |
※占有率=各校の卒業生数で割った合格校の比率
今春「早慶上理」の占有率の高かった学校は、①女子学院(197%)、②日比谷(157%)、③開成(141%)、④豊島岡(138%)、⑤麻布(137%)、⑥本郷(129%)、⑦筑波大附属(128%)、⑦駒場東邦(128%)、⑨渋々(125%)、⑩西(123%)でした。トップ2校は昨年より20%以上伸びています。詳細は茗渓予備校HPの「お役立ち情報」に掲載しておきます。