茗渓予備校通信KIRI

2016年 9月号

偏差値のとらえ方

2学期に入ると各種の模擬テストを受験することが多くなることと思います。標本数(=受験者数)が圧倒的に多い河合塾や駿台の模試を受けることでしょう。

いわゆる学力偏差値は、(受験生個々の得点-母集団の平均値)÷標準偏差× 10 + 50 で算出します。偏差値とは受験者の成績が平均からどれくらい隔たっているかを示す指標で、例えば偏差値60の生徒は、その学力が母集団全体の上位約16%の位置にあることになります。河合塾では各大学の入試科目が出そろう第2回、第3回全統模試の成績を生徒個人の成績として処理しているようです。

この偏差値は日本独自のもののようで、桑田昭三氏(都内の中学の理科の先生で最近お亡くなりになりました。中央公論が選んだ戦後日本を作った100人の一人に選ばれています)は、理論的には3程度の誤差があるといっておられます。また、「本番で取る成績の範囲と確率は予言できますが、実際に取れる成績はどう知恵を絞っても予測できません」とも言われています。あくまでも確率(理論上)の問題だというわけです。

センター試験の場合、過去問を5か年ほど必要な教科を制限時間内で解いてみて、得点力をみることも重要です。本試験のばあいは、国公立のように記述の多い大学も私立の客観式の問題がほとんどの場合も、それぞれ特質を掴んだ過去問演習による問題研究が欠かせません。担当の講師に相談するなりして残された時間を有効に使ってください。日曜インテンシブを存分に活用して、第一志望合格を勝ち取りましょう。

2020年からセンター試験が「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」として生まれ変わりますが、東大の副学長の南風原氏は以下のような興味深い説得力のある話をしておられます。

センター試験は、幅広く多くの内容に関して効率的に試験できる良さがある。東大は、選択式のセンター試験を一次試験にしているから安心して二次試験で内容を絞った「深い記述式」を出題できている。新テストは記述式を入れるとしているが、設問条件を満たしているかどうかの表面的・機械的な採点を想定していながら「深い記述式」であるかのように「思考力・判断力・表現力」を評価するといっている。目的と手段が乖離している。(詳細は、茗渓予備校HPの「お役立ち情報」を参照)

鋭い現場の指摘だと思います。最近の報道によると、新テストの記述の採点で各大学の協力を得たいと文科省は言い出しています。国大協からの申し出だといいますが、今後の経緯をしっかり見てみたい。また、英語はトーフルや英検など外部テストで代替えすることになりそうです。コストと手間がかかり手に負えないのでしょう。それにしても、国としてもっとやらなければならないことが多いはずです。