茗渓予備校通信KIRI

2017年 5月号

大学入試新テストの概要が見えてきた(緊急)

英語は民間試験を活用、国語の記述はセンターが作問、業者が採点

4月の中旬に各メディアに2020年から実施される大学入試センター試験に代わる新テスト「大学入学希望者学力評価テスト」の原案がリリースされた。正式には、6月に新テストの実施方針が公表される予定だ。各紙の報道に若干の補足を加えた。

★英語
英検やトーフルのような民間試験を高3の4月から12月まで2回受験し結果の良い方を採る。事前に新指導要領との整合性を検討するが、成績は点数ではなく、CEFR(セファール)=欧州言語共通参照枠という国際基準に対応した段階別とし6段階表示(A1, A2, B1, B2, C1, C2)にするようだ。各大学は、これをもとに2次試験の出願資格にしたり英語の試験免除、あるいは2次の得点に加算することを想定している。新テストでは「書く」「話す」力も評価する。茗渓予備校では何年も前から英検対策を通常の指導のなかに組み込んできた。また、基本教材のプログレスは、もともと4技能を総合的に伸ばす教材だ。ただし、センターが作成する「聞く・読む」の試験は23年度まで継続する。上位校希望の生徒にはあまり影響は大きくないが、中堅以下の大学を希望する受験生は今のうちから対応を考えた学習が望まれる。(現中3生から新テストに乗り換えることになる。)

★国語の記述問題
国語は3問程度、80字~120字程度の問題をセンターが作問し、採点は業者に委託する。当初は、①80字以内の短文形式のものを民間業者が、②より字数の多い形式の問題を各大学が採点する案を進めていたが、各大学の負担が増える②は利用する大学が少ないと判断し取り下げた。センターでは、もともと採点の人員はとても確保できないのが現状である。

試験問題は、すでにサンプルが文科省から提示されているが、受験業界を中心に評価は低い。今後の施行試験でどの程度の作問になるか興味のあるところだ。試験時間はいまの80分から100分程度に伸ばし、結果は英語同様段階別で示すらしい。

受験生が、この記述問題に対応するためには、どうしてもモデル問題と採点基準を公表してもらうことが必要である。また、受験生が2次試験出願のために自己採点できるかどうかも課題になる。そのうえ、数十万に及ぶ受験生の採点を短時間に適正に採点できるかどうかも大きな問題となろう。当初は、人工知能を活用するというアイデアもあったが、数年先に間に合うような状況にはない。

※政府の教育再生実行会議から高大接続会議へ、そして中央教育審議会へと議論が拡大し具体化するに従い、思考力・判断力・表現力をアクティブに身に付けていくという2020年度から発足する新指導要領の基本方針との関連付けを強く意識したものになり、新テストと理念の乖離が目立ち始めた。

なお、5月の14日に調布校舎で、21日に吉祥寺校舎で春の「大学受験セミナー」を実施します。皆様の参加をお待ちしています。予定していた今春の大学入試の概要は次号に譲ります。