茗渓予備校通信KIRI

2018年 11月号

いよいよ受験勉強も佳境

いよいよ受験勉強も佳境に入ってきました。茗渓予備校の担当講師とともに着実に実力を高めていってください。受験が終わるまで、同伴者として皆さんと一緒に走り続けます。残された日々を悔いのないものにしてください。

●3期制の学校では、中間試験が終わると、あっという間に期末試験が迫ってきます。中間試験の結果は、問題と一緒に自分の答案用紙も担当の先生に見せていますか。茗渓では高校1年までは、定期試験や学力テスト・各種模試の結果を反省しながら、個別に教科指導をしています。もちろん、学校の勉強は自分でやるから、受験力を高めてくださいという人もいるでしょう。しかし、多くの皆さんは中高一貫の進学校の生徒ですから、進度も速く、学年が進むに従い内容もだんだん難しくなってきます。勉強の無駄を省くという点からも、まず通っている学校の学習を基本に据えるのが効率的です。試験の結果は数字だけに一喜一憂するのではなく、間違った箇所を担当講師とともに冷静に分析し、次の定期考査に向けて成果を出すように心がけましょう。

●現高1の皆さんから、大学入試の時には「大学入学共通テスト」を受験することになります。今月11月に、新テスト向けの最後の「試行テスト」が全国一斉に実施されます。これで現行のセンター試験に代わる新テストの出題内容の方向性がだいぶはっきりしてきます。注視しましょう。とくに国語の出題の狙いには注意したい。問題点は紅野謙介氏の『国語教育の危機』(ちくま新書)などが参考になります。

●新聞などで、「共通テスト」は記述式の問題が導入されるということで騒いでいますが、すでに多くの大学の本試験で導入されています。「共通テスト」は恐らく、上位校を狙っている人にとってはそれほど脅威にならないと思います。しかし、慶応の小論文など小手先の対策ではどうにもならないものもあります。長年、民間で小論文指導を実践してきた中井浩一氏(哲学者)の『日本語論理トレーニング』(講談社現代新書)や全国の高校や大学を走り回り(一年の3分の2は東京にいない)講演を続けている大堀精一氏の『小論文 書き方と考え方』(講談社選書メチエ)はお勧めです。2人とは親交がありますが、現場の体験に立ってものの言える、信用できる人物たちです。

●民間の資格試験(認定試験)が2020年度から導入されます。すでに、このコラムでも再三触れてきましたが、国立大学が導入に関してその取扱い方を少しずつ公表し始めています。東大の取り扱いに関しては、前回ご報告した通り、民間試験を必須とせずという方針ですが、朝日新聞の記事では、遠藤利明衆院議員(自民党教育再生実行本部長)は「民間試験に扉を開いた」と評価し、英語教育制度に詳しい関西学院大の寺沢拓敬准教授は「使わない方に扉を開いた」とみています。大阪大学は、英語民間試験を受けて一定の成績を出すことを出願資格にすると公表しました。ますます目が離せません。