茗渓予備校通信KIRI
2018年 5月号
IT(情報技術革新)やAI(人工知能)と教育現場のわたし
学習は順調に進んでいますか。5月の13日には調布校舎で、翌週20日には吉祥寺校舎で、「春の大学入試セミナー」が開かれます。今春の大学入試を総括し、来年に向けてどのように受験勉強に向かえばいいのかお話ししたいと企画しています。また、受験を終えた先輩たちの貴重な話を聞く機会も設けました。多くの方々のご参加を願っております。
現在、2017年度の入試結果を整理しています。また、今後の大学入試に備え、いろいろ提言をしていく準備をしています。説明会などで資料を配布するだけでなく、茗渓予備校のホームページで発信していきます。
●2014年にGACCOというオンライン講義に参加しました。日本で本格的に立ち上げたパイオニア的存在です。無料で学べる大学講座と銘打ち、現在では41万の受講者を数えているとか。わたしは第一号のゼミ、いまやレジェンドとなった本郷和人東大教授(日本の中世史の研究者、NHK大河ドラマ『清盛』の時代考証も手掛けている)の「日本の中世における自由と平等・平和」を受講しました。いわゆる反転授業(予めネットで学習し、東大本郷キャンパスで対面学習も受ける)で、高校生から私のようなシニア層まで数多く参加していました。その後、主にデータサイエンスの最新の研究をこの「新しい学びのスタイル」で折々学習しています。
●わたしは今、府中校舎で4コマの英語ゼミを担当していますが、指導のなかで「VoiceTraボイストラ」という無料の音声翻訳アプリを利用しています。マイクボタンを押して話してくださいと指示が出たあと、日常会話レベルの日本語を話すと、即座に英文が現れ発音をしてくれます。2020年の東京オリンピックをにらんで、政府系の「情報通信研究機構」が開発しているソフトです。皆さんもぜひ利用されることを勧めます。ビッグデータを利用した、かなり正確な翻訳を実現しています。現在31言語に対応していますが、音声がないものもあります。わたしは、生徒たちに「対訳ノート」の日本語で話しかけ、それが元の英語に変わるかどうか試しています。完璧とはいきませんが、かなり正確に翻訳してくれます。スピーキングの練習に英語で発音し、それがどう日本語で表現されるかも実践しています。研究所長の木俵豊さんは、「みらい翻訳」と共同開発した翻訳エンジンは、英語検定のTOEICで900点を取るビジネスマンと同等以上の和文英訳の能力があると言っています。
●わたしは、京王線を利用することが多いのですが、この沿線にある4つの公立図書館(八王子、調布、笹塚、四谷)と首都大学東京の図書カードを利用しています。最近はよほどのことがない限り図書館の蔵書を借りています。八王子図書館は電子本の貸し出しを始めました。ネットでダウンロードして読むのですが、音声付きのものもあります。アマゾンのオーディブルのように、目で見るだけでなく音声での無料利用も可能になっています。
時代はここまで来たかという感ひとしおです。将来AIに多くの仕事を奪われていくかもしれません。これからの教育では、小学生の時から論理的思考と発想力の強化が重要になってきます。茗渓予備校もHPを使って、いろいろ工夫したいと考えています。