茗渓予備校通信KIRI
2019年 1月号
明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。
受験生のみなさんにとっては、合格の日が新しい日々が開けることになりますが。
その日まで、茗渓予備校の全スタッフはみなさんの伴走者として走り続けます。
昨年2018年の教育問題を少しだけ振り返ってみます。
大学入学共通テスト
実施まであと2年、課題を残しつつカウントダウンが始まった。英語4技能を測る民間の資格試験の扱いについて東北大学は出願要件ともしないし合否判定にも使わないと発表している。先鞭を切った東大を越えた判断だ。東北地方などの高校を対象に行った調査では、民間試験の必須化への賛成が8%にとどまり、反対が4割に達したことも考慮したという。名古屋大も東大と同様に、CEFER(セファール)が下から2番目のA2以上であることを民間試験の成績か高校の調査書の記載内容かいずれかで確認する。京都大学も民間試験の成績提出を出願の必須条件としないとしている。これで難関国立大学は軒並み英語民間試験を活用しない方向になってきた。
一方、早稲田大学の一部学部や上智大学の全学部は活用を表明している。また、慶応大学は共通テストそのものを全学部で利用せず、一般入試では従来同様、英語の民間認定試験の成績を使わず、利用については検討を続けるとしている。
☆大学入試センターは12月27日、「共通テスト」に向けて昨年11月に行った施行テストのうちマーク式問題の平均正答率を公表した。全19科目のうち14科目等で目標とする5割を超えた。数学と理科では正答率が低いし、国語と数学の記述式問題を含めた分析や対応は3月に発表する予定だ。
医学部不適切入試
国の事業で有利な取り計らいを頼まれた見返りに東京医科大の入試で子供に加点してもらった疑いで、東京地検特捜部は文科省の科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者を収賄容疑で逮捕した。これに端を発し、文科省は81大学の医学部入試の調査に乗り出し、9大学を不適切、1大学を不適切の可能性が高いと指摘した。女子や2浪以上の受験生の得点を抑制したりしていた実態が暴露された。ついには、合格への見返りに寄付金額の多寡までが話題になっている。日本社会の古い慣習が一気に噴出した様相だ。特に、この国の男女差別のひどさは見かねるばかりだ。国民一人一人が、生活の身近なところから是非を正すべき時期に来ているようだ。この問題の最大の被害者は、大学の論理に振り回され続けた受験生である。
大学の運営費交付金の傾斜配分を巡る国大協と財務省の大喧嘩
財務省2階の会議室で怒号が飛び交った。国大協会長の山極寿一京都大総長と、国立大改革の旗を振ってきた財務省主計局の神田正人次長とのやり取りである。発端は、成果を上げた部門に傾斜配分する重点支援枠を今年度の約285億円から1000億円に増やすという財務省の施策だ。国大協は「毎年増減する枠が大きくなると安定して教員を雇えず、教育・研究力が落ちる」と反発している。すぐに成果の出ない基礎研究の軽視にもつながる重大な問題である。
○こうして毎年毎月教育問題を追ってくると、受験生がどの大学どの学部を目指すかということは、これからの人生を託す大きな岐路となっていることが見えてきます。