10/7は茗渓予備校の国立校、新宿校、調布校で2018年度第二回英検が実施されました(この3校舎は英検準会場に認定されています)。私は国立校で試験監督を務めました。今回の国立校は受験級毎の生徒数にかなり偏りがあって、3級が1人、準2級が2人なのに対し、2級受験者は中2から高2までなんと13人もいました。

自分の通う学校で英検受験した生徒の多くは金曜日に受験を終えていて、準1級以上を受験する生徒は同日本会場で受験しました(準1級以上の本会場受験も申込自体は茗渓予備校を経由してできます)。

受験した生徒はみんな合格するように願うところではありますが、英検はあくまで通過地点にすぎません...無論、これは最終目標を大学受験に据える中高一貫校生に限る話ではありますが。英語は大学受験のためだけではなく、将来社会に出て企業に就職した際などに有用な技能を身に着けるため勉強しているという側面もあります。また、大学付属校に通う生徒の場合、高等部への進級条件に英検の取得級が要求される場合もありますから軽んじるわけにもいきません。

そうしたケースを置くとすると、一般的な進学校の中高一貫校生にとっては、英検は中間目標という位置付けになります。中高一貫校生は高校受験をしません。中学生の段階では大学受験という目標はまだずっと先にあるため、日々の勉強も張り合いが出づらく中だるみしがちです。そこで、より近いところで達成感を得られる英検が格好の学習目標になるわけです。

となると、英検はただ受かればいいものというわけでもなくなってきます。英検2級はだいたいセンター試験と同レベルの難易度と言われていますが、英検が6割も取れれば合格するのに対しセンター英語で6割ばかし取ってもロクな大学の合格も勝ち取ることはできません。大事なのは、大学受験で戦える英語力をしっかりと身につけることです。ボーダーギリギリでも名目だけでもいいからとにかく手っ取り早く英検2級に合格してしまうよりも、しっかりと英語学習を積み重ねて万全の状態で英検を受験して、余裕を持って合格することを目指すというのも一つの方法です。この辺は生徒それぞれ、講師それぞれ、考え方が違ったりします...まぁ当の私自身は、受かるものならとっとと早いとこ受かってしまうほうがいいという考え方なんですが(笑)。

今回の英検2級の読解セクションの最初の大問でバナナに関する話が出てきました。「む、どっかで見た記憶があるな...」と思ったのですが、過去問を検索してもここ10年はそんな話題の文章は出題されてません。Google検索して、やっとデジャブ(Déjà vu)の原因がわかりました。


Although there are many varieties of bananas, most bananas sold around the world are one type--the Cavendish. However, this was not always true. Until the 1960s, a much larger and better tasting banana called the Gros Michel was the most popular. Unfortunately, a fungus called Panama disease began killing Gros Michel bananas. Soon, the disease had spread so much that fruit companies could no longer produce enough Gros Michel bananas. They started growing Cavendish bananas instead.
第2回(日曜)英検2級 2018年度


バナナ

The banana is, in many respects, a paradox. A seedless fruit with a unique reproductive system, every banana we buy is a genetic twin of every other. It's that sameness that makes the fruit so easy to grow, but it is also what makes it so susceptible to disease. The slender yellow variety found in supermarkets today--the Cavendish banana--is rapidly succumbing to such a curse, called Panama disease, just as the Cavendish's predecessor, the Gros Michel, was wiped out by a similar disease 50 years ago. In some parts of Africa, banana production has declined by 60 percent as a result of Panama disease and other epidemics, and some experts believe that the Cavendish could disappear within the next 10 years.

法政大学文学部・経営学部 2009年


ちょうど10年後の後日談のような内容になっていました。


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