現在多くの中高一貫校で採用されている英語の検定外教科書『New Treasure』は、Stage 1〜3をそれぞれ中学の1学年で終わらせるペースで学習していくと中3(Stage 3)の終わりまでに高校英文法の主要項目を一通り網羅し終える形になります。公立中学であれば中3の2学期に学習する関係代名詞はStage 2のLesson 10にて、一貫校なら中2の2学期頃には学習し終えます。Stage 3のLesson 1で学習する過去完了からはもう高校英文法の範囲に入っていく形です。(注:大学受験のない大学附属校の中にはより遅いペースで学習を進めていき、高校に入ってからもしばらくはStage 3を継続使用している例もあります。)

このため、『New Treasure』は公立中学で使用されている検定教科書に比べてかなり濃密に詰め込まれた内容になっています。例えばStage 1(第2版)のLesson 12が比較、Stage 2 Lesson 2が不定詞、Lesson 6が現在完了、Lesson 7が受動態となっていますが、これらを矢継ぎ早にそれぞれ1レッスン内で終わらしていきます。定期試験では2、3レッスンほどまとめて出題範囲にされますから、特に現在完了→受動態など重い文法事項が連続するような時には消化不良のまま済ましてしまわないよう注意が必要です。

『New Treasure』の中でも特に重い内容になっているのがStage 2のLesson 12です。この章では①間接疑問、②感嘆文、③付加疑問、④比較の倍数表現と⑤最上級の書換そして⑥「可能な限り〜する」(例:as soon as you can)の表現を一気に学習します。これらは単独では現在完了や受動態などの主要文法項目と比べると重要度に関しては少し落ちる内容ではありますが、いずれも英語文章で頻繁に用いられるマスター必須の重要表現であり、やっかいなのはこれら文法事項が互いに関連性が薄いためまとめて学習するのには少し負担があるという点です。また、現在完了や受動態のような主要文法項目であれば一般的な文法問題集や参考書でも独立して相当量の紙面を割いてありますが、間接疑問や感嘆文に関しては独立した章で扱われることはあまりなく、多くの場合は他の細かい文法項目と一緒くたに扱われて掲載されているため演習問題が少なかったりします。『New Treasure』準拠の『文法問題集』と『Workbook』でも同じく十分な演習量を保証してくれるものにはなっていません。

英語は暗記する分量が多い科目ですが、だからこそ効率の良い学習のためには暗記の系統的な軽重付けが重要になってきます。単語・熟語であれば網羅性を優先して質より量の暗記を実施していっても構いませんが、英語文章において頻繁に使用されるような重要文法や特殊構文を定期試験前にとりあえず頭に詰め込んでおくというようなお座なり学習で済ませるのは芳しくありません。

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