JUKEN5月号の後藤先生の記事にもあるように、英検は2016年度よりCSEというスコア制を採用しました。要は、CEFRに対応すべく英検各級の基準を数値化して、大学入試において利用するために他の英語試験とのスコア比較を容易にしたわけです。

2020年度大学入試より課される英語民間試験は、英検であれTOEICであれTOEFLであれ、その受験結果はA1〜C2のCEFRレベルに換算されたものと共に大学入試センターへ送られます。TOEICのR(495点満点)だと、A1=0点〜60点、A2=65点〜115点、B1=120点〜275点、B2=280点〜385点、C1=390点〜455点という設定になります。英検のCSEだと、A1=0点〜1700点、A2=1700点〜1950点、B1=1950点〜2300点、B2=2300点〜2600点、C1=2600点〜3300点,C2=3300点〜4000点という設定です。大学入試の合否で参照するのは、あくまでCEFRレベル(A1〜C2)であって、英検の各級(5級〜1級)取得でもCSEスコア(0点〜4000点)でもありません。

すると、面白いのは、こと大学受験に関しては英検の受験級に必ずしも合格している必要はないであろうという点です。例えば英検準1級を受験してCSE2200点で不合格であったとしても、CEFRではB1レベルに認定されますから、英検2級合格とほぼ変わらないことになります(参照:CSE 2.0グラフ)。逆に、英検2級にCSE2600点で合格するとCEFRのB2判定となり、英検準1級合格とほぼ変わらないことになります。なお、英検準1級はギリギリ合格でもB2レベルが保証されており、満点近くになるとさらに上のC1判定の可能性もあります。

CSEスコア上であれば英検2級満点合格は英検準1級ギリ合格を上回りますが、CEFRレベルは同じB2判定なので、大学受験においては逆転現象はないものと思われます。(TOEICなど他の民間試験受験者もいるわけですから、細かいCSEスコアの差を各大学で合否の判定に用いることはできないでしょう。)

ただ、2020年度の大学受験者は、①簡単な2級の問題で高得点を目指すのが得策か、はたまた②難しい準1級の問題で頑張った方がいいのか、というような選択を迫られることにはなるかも知れません。受験機会は計2回(事前申請制)ありますので、英語が苦手な人はⓐ2級を2回受験し、得意な人はⓑ準1級を2回受験し、ⓒその間の人は準1級と2級をそれぞれ1回ずつ受験する、ということになるでしょうか。いずれにしろ高3でぶっつけ本番は怖いですから、予行練習として高2までに準1級、最低でも2級に一度は受かっているのが理想的かと思われます(参照:茗渓英検基準)。


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